妄想シリーズ

私の脳内を紹介します

出会い

 

 

第1章 みんなすごいよね

 僕の名前は吉田陽太。高校1年生。これといって説明することはない。前髪が長いとか髪質はクシャっとしてるとか身長は164cmぐらいで痩せ型だとかは言えるけど。この陽太って正直嫌いな名前だ。根暗で友達も少ない僕が「陽」のつく名前なんて。おかげで陰キャのくせにだの馬鹿にされることもしばしば。いじめられてるとか、そういうわけじゃないんだけど、どこかでみんな違和感を感じてる。特に英語のペアワークなんて地獄だ。日本語でさえ喋るの苦手なのにましてや英語でなんて。となりに座る女子は「こいつとかよ」みたいな目でこっちを見ている気がする。学校生活、充実してる人を見ると「すごいな」って思う。僕とは遠い世界にいるように見える。そういう人たちを別に呪うわけでもなく、ただひたすら生まれた星が違うんだなと思って毎日を過ごしている。まさかこんな自分が……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第2章 まじでだるい

 だる。死ぬほどだるい。課題面倒すぎる。やっと授業終わり。あーくそだる。あ、楓が向こうから呼んでる。

「椎菜〜、いつまで寝てんの〜。ごはん食べよ〜」

相変わらず元気な奴だ。今行く〜と気怠げに返事をする。今日も課題やってなくて先生に叱られた。

「あなたやる気はあるんですか」

といつもの口調で。はいはいと返事をしてその場はやり過ごしたけどさ。

今日は珍しく楓と2人飯だ。いつもなら4人で食べるんだけど、まあいっか。

「椎菜、今日の国語聞いてた?」

「だるいから寝てた」

学食のうどんをすすりながら言う。

「もう、そんなんじゃまた補習引っかかるよ」

「大丈夫大丈夫。赤点回避する能力はあるから」

「いや、それは大丈夫じゃないでしょうよ……」

楓はいつも私を心配してくれる。頭めっちゃいいし。大体テスト前は楓に勉強教えてもらう。

「そういえば次の時間、総合の授業だね。席替えあるらしいよ」

「ふ〜ん。まあ後ろならどこでもいいかな。強いて言えば窓際が至高」

「後ろだと寝るでしょ椎菜。ねぇ一緒に前座ろうよ!2人も誘ってさ!」

「いや、だるいだるい」

楓ったらほんと熱心。そりゃ学級委員長にも推薦されるわな。

そんなことを話しているとあっという間に昼休みが終わりを告げようとしていた。あーあまただるい午後の授業の始まりか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第3章 大丈夫かな……

 席替え。それは自分の運試し……とかそういうレベルの問題じゃない。折角周りの人と多少は話せるようになったのに、ここでまた人間関係がリセットされる。はぁ……。今回はどんな人が隣になるのかな。心配で心が痛む。

 

 

 

 席替え。それはいかにサボれる席を確保できるか。当然前になんか行かない。楓は残念そうにしてたけど。まあ後ろに行く手段なんて思いつかないし?くじ運頼るしかないか。さっさと引いて寝よ。

 

 

 あ、一番後ろの席だ。

 

 っしゃ!後ろの窓際確保!

 

 

 僕は絶望した。隣はあのヤンキーの白川さんだ。入学当初に春休みの課題を全部やってなくて先生と大喧嘩してたって記憶がある。やば、目があってしまった。普段からジトっとした目つきをしているけど、今のは僕を睨んだのかな……。怖い。あんまり関わりたくないよ……。

 

 

 誰だっけ?コイツ?大人しそうな奴だな。まあいいか。これなら英語のときもサボれそう。すまんなお隣さん。

 

 

 

 

 

第4章 

 最悪だ。6限は英語。ペアワークが当然ある。白川さんとペアなんて無理だよ……。一目見ただけで僕のこと嫌ってそう……。あ、先生来た。もう腹を括るしか……ってアレ?白川さん寝てる?

「起立、気をつけ、礼」

「「「お願いしまーす」」」

「じゃ、まずは隣の人に今日の調子を英語で聞いてみましょう。」

「……zzz」

(これはラッキー?なのか……?寝てるならそれはしなくていいってことかな……。でも先生に怒られたくないし……。)

「大体終わったかしら。では代表して……今日は何日だっけ……。まあいいや。一番後ろの吉田君!ペアワークでやったことペアの人と話してみて」

あっ死んだわ。これ。詰んだ。やってないし。隣寝てるし。

「あっ……ええと……」

冷や汗が出てきた。正直にやってないことを言うべきか……でも後で白川さんに睨まれるのも……。やばい無言の時間が続く。

 

 

 

「アイムファインセンキュー」

 

 

突然隣から聞こえた声に教室中が驚いた。紛うことなき白川さんの声だ。

 

 

「って、吉田君言ってました」

「……そうですか。まあいいでしょう。時間もアレだし次に進むわよ。では教科書の18ページの……」

 

 

あれ。終わった?何で?突然の出来事に頭が追いつかない。

 

「いや、ごめんごめん。流石にガン無視はひどいなって。またペアワークのとき起こして。それじゃ」

 

 

……なんだろうこの気持ち。別に僕を軽蔑するわけでもなく、しかも助けてくれた。見た目だけで判断するのは良くない、のかなあ。

 

ともかくこれが僕と白川さんの出会いである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

登場人物

 

吉田 陽太 (よしだ ようた)

2/9生まれ 高校一年生 164cm 51kg

黒髪で前髪が長く目が隠れるほど。若干天然パーマ気味。痩せ型。

自分の名前だけでなく自分自身のことが嫌いな性格。内気で自信がない。勉強はそこそこできるほうだがめちゃくちゃ頭が良いわけでもない。卓球部に所属していてそこでは副キャプテンを任されている。おそらく彼の真面目さと周りの空気を読み取る力が買われたのだろう。趣味はアニメ、ゲーム、インターネットサーフィンなど。

 

 

白川 椎菜 (しろかわ しいな)

3/7生まれ 高校一年生 155cm ??kg

金髪にグレーの目。しかしこれは染めてるわけでもカラコンでもなく、母親がロシア人なのでその血を受け継いでいるだけである。いわゆるハーフ。ジト目気味。髪の毛はギブソンタックにしている。貧乳なのがネックである。

何事にもつまらなさそうな表情。中学時代はバスケ部に所属していた。勉強はしないがやる気がないだけで地頭はよい。趣味はゲーム。周りはヤンキーだと思っているようだが実際中学まではヤンキーの道を突き進んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここまで読んだ人いるでしょうか……

続きは無限にあるのでいいねが来たら書こうと思います……

ちなみにこれは高校時代から妄想していたものです。話の流れなどは若干変えていますが……

何にせよ読んでくださった方、本当にありがとうございます。ではまた